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コラム一覧

相続コラム一覧

遺産分割における使途不明金の扱いについて

第1 はじめに 第2 使途不明金とは 第3 使途不明金の分類 第4 返還請求の手法とその注意点   第1 はじめに 「遺産が他の相続人に使い込まれているのではないか」、「原因は分からないが、口座から多額の預貯金が引き出されている」。遺産分割事件の解決にあたり、このような内容をしばしば相談されます。このようなケースにおいて、使い込まれた疑いのある財産・・・

遺産分割の対象について

1.はじめに 相続人は、被相続人の帰属上の一身専属権を除いて、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します(民法896条本文)。ここでは、帰属上の一身専属権以外の全てが、「遺産」として包括的に承継されることが定められています。承継されるものの具体例として、個別の動産や不動産、債権および債務などが挙げられます。 もっとも、相続人が複数いる・・・

配偶者居住権の意義とその内容について

第1 はじめに 配偶者居住権とは、被相続人の配偶者に、居住建物の排他的な無償使用権原を認める制度です。平成30年の相続法改正により、新たに導入されました。 この制度は、高齢社会の広がりを背景として、被相続人の死亡後においても、配偶者が従来居住していた建物に居住することができる同時に、建物のみならず現金等の他の遺産も相続することで、配偶者の生活を保障することを・・・

法定相続人とは?

法律上、故人の遺産を相続できる人のことを、法定相続人といいます。ここでは、法定相続人になれる人は誰なのか、さらに複数の相続人がいる場合の遺産の分け方などについて紹介します。   法定相続人になれるのは誰? 相続人は自由に指定できるわけではありません。 民法では、法定相続人になれる人を「亡くなった人と一定の親族関係にある人」に限定しています。 &nb・・・

代襲相続と遺留分

相続が発生した際に相続人がすでにお亡くなりになっているような場合、代襲相続によって相続人の子どもが新たな相続人になります。代襲相続によって相続人になった子どもは、親と同じような割合で遺産を受け取る権利(子どもが複数いる場合は均等割り)を持ちます。また、貰えるはずの遺産を遺言書の内容によって受け取れなくなったケースでは、遺言によって遺産を受け取った他の相続人な・・・

弁護士に検認を依頼するメリット

机の引き出しから遺言書が出てきた……このような場合、勝手に遺言書の封を開けてはいけません。遺言書の中身が気になる方も多いかもしれませんが、自宅で見つかった遺言書については開封前に「検認」という手続が必要です。   検認は家庭裁判所が行う手続 遺言書が見つかったときは、速やかに家庭裁判所に検認の手続を請求しなければなりません。 検認は、遺言書の存在などを確認す・・・

新型コロナウイルスに関する対策等について

新型コロナウイルスの流行に伴い、当事務所でもお客様やスタッフ間で感染が起こらないよう、予防・対策をおこなっております。   1 換気や除菌等の徹底 事務所内は窓を開けて換気を行い、郵便や宅配・ご来客があった場合には、その都度テーブルやドアノブ等のアルコール消毒を行っております。     2 来客時の対応とお願い 来所いただく際に・・・

預貯金の評価

1.預貯金の評価 相続税の評価額の計算上、預貯金については、基本的には相続発生日現在の残高を基に評価します。その際、通帳を記帳して残高を確認しても良いのですが、例えば普通預金以外に定期預金が別の通帳にあるという場合もあるので、各金融機関の支店ごとに残高証明書を発行してもらう方がより確実となります。残高証明書を取得すると、相続人が誰も知らなかった口座が見つかっ・・・

株式の評価

1.株式の評価 相続税の評価額の計算上、株式は上場株式と非上場株式とに区分されます。上場株式とは原則として東証1部などの証券取引所に上場している株式のことを言います。非上場株式とはそれ以外の株式のことを言い、多くの中小企業が該当することになります。例えば、社長1人で切り盛りしており、株主も社長1人だけという会社も中小企業に該当します。   2.上場株式の評価・・・

私道の評価

1.私道の評価  道の大半は国や都道府県、市町村が所有している公道ですが、中には民間の所有となっているものもあり、これを私道と言います。私道についての相続税の評価を行う場合には、その私道の使われ方によって異なった評価方法を取ることになります。  私道の使われ方には、その私道が「不特定多数の人の通行のために利用されている場合」、「複数の特定の人の通行のために利・・・

農地・山林の土地の評価

1.農地・山林の評価 相続税の評価を行う場合において、農地や山林は、宅地とは違った評価方法を取ることになります。また、その土地の所在する場所によって、農地は純農地・中間農地・市街地周辺農地・市街地農地に、山林は純山林・中間山林・市街地山林に分けられます。そしてこれらの区分によって、その評価方法も変わってきます。 市街地から遠く離れた場所に所在して、土地の財産・・・

地積規模の大きな宅地の評価

1.地積規模の大きな宅地の評価    相続税に関する土地の評価を行う際には、諸々の減額要因があります。その1つが、広すぎる土地に適用されるものです。土地の大きさには「ちょうどいいサイズ」というものがあり、狭すぎるものはもちろん使いにくいのですが、反対に広すぎるものも、やはり買い手が限られてしまったり、開発時に道路を敷設しなければいけなかったりといった理由で売・・・

小規模宅地等の特例

1.小規模宅地等の特例  相続財産の評価額の中で、土地の評価額が大きな比重を占めることが多々あります。極端なケースでは、評価額の9割以上が土地という場合もあります。そのため、生活を維持していく上で必要な土地にもかかわらず、相続税の納税額を下げるために処分をしなければいけないというケースが出てきてしまいます。  そのようなことを少しでも減少させるために、一定の・・・

家屋の評価

1.家屋の評価額 相続税の計算をする場合における家屋の評価額には、原則として固定資産税評価額が用いられます。 固定資産税評価額とは、毎年1月1日時点の評価額を各市町村が決定するものです。その決定された評価額と固定資産税額とを合わせて、各所有者に4月~6月頃に郵送で通知されます。   2.貸家の評価額 貸家の相続税評価額は、原則として家屋の評価額から30%減額・・・

貸地・貸家建付地の評価

1.基本的な土地の評価 相続税の土地の評価方法については、路線価方式と倍率方式があります。 路線価方式は、対象の土地の接する道路に設定された路線価に面積を掛けて計算します。一方で倍率方式は、対象の土地の固定資産税評価額に、対象の土地の地域に設定された倍率を掛けて計算します。 しかし、これらの計算はあくまでその土地を自分自身で利用している場合の評価額となり、そ・・・

土地の評価

1.相続税の評価額  相続税は最終的に円単位で算定されることになります。そのため、相続税の計算の際には、様々な財産をまずは円単位に換算する必要があります。  預貯金等については通帳や残高証明書に円単位の金額が記載されているので比較的簡単に算定が可能ですが、不動産の金額というものは取引事情等により千差万別です。そこで、国税庁において「土地はこのように計算してく・・・

寄与分を請求する流れ

1 はじめに  寄与分制度は、相続人間の公平の観点から、具体的相続分の算定にあたってこれを調整する制度です。相続人が被相続人の財産の形成及び維持に特別の寄与をした場合、どのような主張をして具体的相続分に反映させるのでしょうか。今回は寄与分の主張の方法についてお話します。   2 遺産分割協議  寄与分は実体法上の請求権ではないので、共同相続人は他の共同相続人・・・

寄与分とは

1 はじめに    相続分は法律によって一律に定められています。共同相続人の中に、被相続人の財産の増加及び維持のために特別に貢献した人がいた場合、一律に法定相続分に従って相続財産を分割することは特別に貢献した人にとってみれば相続人間の公平に反することになります。そこで、特別に寄与した財産的価値を考慮して、特別に寄与した者に与えられる相続財産の額を調整すること・・・

相続税の延滞税・加算税

1.相続税の附帯税   税金には申告書を提出する期限(申告期限)と納付する期限(納期限)が決められており、相続税の申告期限と、相続税の納期限はいずれも、被相続人が亡くなられてから10か月後の同じ日となります。  この申告納付期限に遅れた場合や申告納付した相続税額が少なかった場合には、ペナルティが発生します。それが附帯税と言われるもので、無申告加算税、延滞税等・・・

相続税の延納、物納

1.相続税の納付方法 相続税の納付方法は、原則的には金銭による一括納付となっています。 しかし、納付期限までに金銭による一括納付が困難である場合には、一定の要件を満たした上で、年賦によって納付する延納が認められます。 さらに、延納を行ったとしても金銭による納付が困難である場合には、一定の要件を満たした上で、相続財産によって納付する物納が認められます。   2・・・

相続税の申告

1.相続税の申告期限 税金には申告書の提出期限(申告期限)が決められています。 相続税の申告期限は、被相続人がお亡くなりになった日の10か月後の同じ日となり、例えば1月15日に亡くなられた場合は、その年の11月15日が期限となります。 法律上は少し違う書き方をされていますが、多くの場合は上記の考え方となります。 なお、その期限の日が土日祝日等の場合は、その翌・・・

生命保険と特別受益

1 はじめに 被相続人が生命保険金の受取人として相続人を指定した場合であっても、生命保険金請求権は相続財産には含まれません。一方で、この生命保険金請求権が特別受益に当たるかどうかについては、少々複雑な問題があります。今回はこの問題についてお話します。   2 生命保険は特別受益になるのか 特別受益制度の趣旨は、被相続人が財産を前渡しすることによる相続人間の不・・・

特別受益の対象となる財産

1 はじめに  相続人が受け取った財産が特別受益に当たるか否かは、持戻しをしなければならないかどうか、遺留分減殺請求権の期間制限があるかどうかに関わるので、相続人にとっては非常に重要な問題です。民法第903条1項では,「被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるとき」には,これらを特別受益として相続人・・・

特別受益の持戻し

1 はじめに   相続人が受け取った財産が特別受益に当たる場合は、まずは相続開始の時点で有していた財産の価額に、この特別受益のうちの贈与の価額を加えます。その加えた財産を相続財産とみなします。みなし相続財産を法定相続分に従って共同相続人に割り振った後に、特別受益(贈与・遺贈)の額を控除します(民法903条1項参照)。 このような制度を「特別受益の持・・・

特別受益請求の流れ

1 はじめに  特別受益制度は、具体的相続分の算定にあたって、相続人間の公平の観点からこれを調整するものです。皆さんが相続人だったとすると、皆さんの他の相続人が特別受益を受けた場合、どのようにこれを主張して具体的相続分に反映させるのでしょうか。今回は、特別受益の請求の方法についてお話します。   2 遺産分割協議 特別受益は実体法上の請求権ではないので、相続・・・

特別受益について

1 はじめに 相続があった際、例えば共同相続人の中に特別に被相続人から遺贈や多額の財産を受け取った人がいて、そのような中で相続が開始したとします。相続分は法律によって一律に定められているため、さきほどの遺贈や多額の財産を受け取ったことを無視して法定相続分に従って相続財産を分割してしまうと、相続人間の公平に反する結果になりかねません。そこで、特別に財産を受け取・・・

遺留分減殺請求を受けた場合

 1 はじめに 遺留分減殺請求権は、遺留分権利者に認められた権利です。よってこれを請求された場合には応じなければなりません。しかし遺留分の侵害額の算定や相続財産の評価が困難であるため、請求された段階では根拠が不明確な場合も多くあります。また、適切に対応すれば請求を拒んだり請求を減額させたりできる場合もあります。今回は、遺留分減殺請求を受けた場合の対処の仕方に・・・

相続税申告に必要な書類

1.相続税申告に必要な書類   相続税の申告を行う場合には、様々な書類を集める必要があります。その書類については、目的に応じて次の4種類に大別できます。   ①     遺産分割及び身分関係 ②     プラスの財産関係 ③     マイナスの財産(債務)・葬式費用関係 ④     過去の税務申告関係   では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。   ・・・

遺言書がある場合の遺留分減殺請求

1 はじめに    原則として、財産の持ち主(被相続人)は、遺言により自己の財産を自由に処分することができます。しかし、その例外として「遺留分制度」というものがあります。今回は、遺言によって自由に処分できる財産の範囲についてお話します。   2 遺言とは   遺言とは、被相続人の最後の意思表示として、被相続人が単独で行う法律行為です。被相続人は遺言によって自・・・

生前贈与と遺留分減殺請求権

1 はじめに    被相続人は、生前に、自分の財産を自由に贈与することができます。遺留分権利者は、この贈与に対して減殺請求をします。遺留分減殺請求の対象は、遺贈及び贈与です(民法第1031条)。今回は、どのような贈与が減殺の対象になるのか、いつの時点の贈与が対象になるのか等についてお話します。     2 遺贈と贈与   遺贈と贈与は似ていますが、法的には全・・・

相続税の各種控除

1.相続税の各種控除   相続税の計算をする場合には、相続人ごとに税金額を減らすことができる様々な制度(控除)があります。相続人が亡くなった方の配偶者である場合の“配偶者控除”、相続人が未成年である場合の“未成年者控除”などが代表的なものです。相続人ごとの相続税額を計算したあと、これらの控除を相続人ごとに適用した結果が、実際に納める相続税額となります。   ・・・

相続税の計算方法

1.財産の総額の計算 相続人ごとの納付すべき相続税を計算する場合には、いくつかのステップを踏みます。   最初に、亡くなった方(被相続人)の財産の総額を集計します。各財産の集計をする場合の基準となるのは、原則として、相続が発生した日の時価となります。なお、すべての財産を金銭価値に換算して集計する必要があり、例えば土地や建物などの不動産もそれぞれ何円・・・

遺留分減殺請求とは

1 はじめに 個人は、自己の財産を自由に処分することができます。被相続人も、遺言によって自己の財産を自由に処分できます。他方で、残された相続人の生活を保障することも相続の重要な機能の一つです。 そこで、相続人には、法律によって一定の割合の財産を取得する権利が与えられています。 相続財産のうち一定割合で相続人に留保されている利益のことを「遺留分」と言い、これが・・・

相続税と贈与税の関係

1.相続税と贈与税の関係性 相続税と贈与税は、非常に密接に関係しています。 税金については税法という税に関する法律に定められており、例えば法人税については法人税法、所得税については所得税法というものがあります。 相続税についても相続税法というものがありますが、贈与税法というものは存在しません。贈与税は、相続税法の中に定められています。このことからも、相続税と・・・

贈与税とは

1.贈与税とは 日本には数多くの税金があり、納付先も国や都道府県や市町村など様々です。そうした税金のうち国に納めるもののひとつが贈与税です。 贈与税は、個人から財産をもらった (贈与を受けた) 場合に、その贈与を受けた財産の額を基礎としてかかる税金のことを言います。 しかしながら、すべての贈与について必ずしも贈与税がかかるというわけではなく、その贈与を受けた・・・

相続税とは

 1.はじめに  日本には様々な種類の税金があり、納付先も国や都道府県や市町村など、税金によって違ってきます。そうした税金のうち国に納めるもののひとつが相続税です。  相続税とは、亡くなった方(被相続人)の遺産(相続財産)を相続によって取得した場合や、遺言によって取得 (遺贈) した場合に、その取得した相続財産の額を基礎としてかかる税金のことをいいます。  ・・・

遺産分割調停の流れ

1 はじめに    遺産を分ける場合、現金であれば分けやすいのですが,不動産となると誰が所有するのか,代償金はいくらになるのか,不動産の価格はいくらなのかなど揉め事が多くなる傾向にあります。相続人たる当事者のみでは相続人間での話合い(協議)がまとまらず,平行線を辿っていくことが多いため、弁護士が介入して協議を進めることもあります。しかしそれでも折り合いがつか・・・

遺産分割協議の有効性

1 はじめに 共同相続人は、協議をすることによって遺産を分割することができます。遺産分割においては、親族間の感情や利害が激しく対立する場合があるため、紛争が深刻化・長期化しがちです。また、今後は、社会の高齢化に伴って遺産分割の数が年々増加することが予想されます。 せっかく遺産分割協議が整っても、遺産分割に不備があったことでそれが無効になってしまっては全ての苦・・・

認知症の方や未成年者・不在者がいる場合の遺産分割協議書作成

1 はじめに 遺産分割の当事者となるのは共同相続人です。しかし,他の共同相続人と全く面識がなく,どこで居住しているのかすらわからないといった場合もあります。また,共同相続人とはいえ,その中に判断能力がない人や未成年者がいる場合もあります。そのような人たちが共同相続人であった場合における遺産分割についてお話しします。   2 不在者がいる場合 遺産分・・・

遺産分割協議書とは

遺産分割協議には,法的効果を発生させるために書面など何らかの要式行為が必要というものではありません。しかし,紛争防止や第三者への証明をするためには,遺産分割協議を書面に残す必要があります。

未成年者がいる場合の遺産分割

遺産分割の際に、相続人の中に未成年者がいる場合は「特別代理人」や「未成年後見人」を立てて、未成年者の権利を守る制度があります。

不在者がいる場合の遺産分割

遺産分割協議には相続人全員の同意が必要であるため,不在者(行方不明の人)がいる場合には相続人全員の同意が得られなくなってしまいます。そのような場合に遺産分割を行うためには,不在者の財産管理人選任や失踪宣告などの手続が必要です。

認知症の方がいる遺産分割


相続人となるのは子供だけではありません。亡くなった人の配偶者や両親,兄弟も相続人となることがあります。そうすると,高齢で亡くなった被相続人より更に高齢の相続人も珍しくありません。相続人が高齢であれば,認知症などを患っており判断能力が欠如している場合もあります。

協議分割の進め方

1 はじめに     遺産分割の手続きとしては,①遺言による指定分割,②協議による分割,③調停による分割,④審判による分割があります。紛争の度合いとしては,①と②はそこまで大きくありませんが,③,④へ移行するにつれて大きくなっていくイメージです。個人的にも①や②が理想的だとは思いますが,ご事情によっては調停や審判をせざるを得ない場合もありますよね。・・・

法定相続分について

1 はじめに     被相続人が亡くなって相続人が複数いる場合は,誰が何をどのくらい取得するのかを決めていかなくてはなりません。相続人の間で問題なく遺産分割ができればよいですが,揉めることも少なくありません。   民法は,私人間の財産に関するルールや,相続に関するルールを定めています。相続のルールで基本となる事項は,誰がどのくらい遺産を受け取ること・・・

遺産分割の方法

1 はじめに     相続の中でも特に相談が多い案件の一つに,遺産分割が挙げられます。相続人が複数いる場合は,全員が一か所に集まっているとは限らないため,全国に散らばっていることも少なくありません。今回は,遺産分割にはどのような方法があるのか見ていきましょう。     2 遺産分割の3つの方法     遺産分割には3つ・・・

公正証書のススメ

1 はじめに  当事務所では,遺言作成のご依頼があった際に,特に遺言方法の指定がない限りは「公正証書」(遺言者の代わりに公証人が作成する遺言書)を勧めております。  公正証書の手続きは「公証人役場」で行われます。私も,御池通沿いにある京都市の公証役場はもちろん,宇治市や大阪,神戸,そして,自身が東京出身ということもあり,東京の公証役場(銀座と練馬)に手続きに・・・

相続人の廃除

1 はじめに     例えば,あるお父さんが自分の子から虐待を受けており,父としてはその子に対して絶対に遺産を渡したくないと思ったとします。そのため,父は,遺言書において,子ではない第三者に遺産を全て遺贈することにしました。しかし,子は遺留分を持っているため,相続欠格事由がなければ父の遺産の一部を取得することができます。そんな場合に考えられるのが「・・・

遺言執行者

1 はじめに     これまで遺言の種類や活用方法,遺言のない場合の相続についていろいろと説明してきましたが,今回は遺言執行者についてお話いたします。     2 遺言執行者とは     「遺言を残せばあとは自動的に遺言の内容に従って遺産が処理される」という単純なものではないことは想像がつくと思います。ただ,実際にどの・・・

遺言書がない場合の相続

1 はじめに     「私の家庭は円満だし,きちんと遺産分割をしてくれるだろうから遺言書を残す必要はないだろう。」と考えて遺言を作成されない人が割と多くいらっしゃいます。今回は,遺言書がない場合の相続処理についてお話ししましょう。     2 法定相続     遺言書がない場合,法律に従って相続人割合が決まります。つま・・・

遺言の無効・取消し・撤回

  1 はじめに     遺言を法律で定められた要式に従って作成しさえすれば,効力が認められるので大丈夫!かというと,決してそうではありません。強迫されたり騙されたりして作成した遺言書の場合は遺言の取消しがなされる可能性がありますし,錯誤に基づいて遺言をすれば無効になることもあります。   また,遺言を作成したものの,その後に親族間でトラ・・・

遺言作成の留意点

1 はじめに     遺産を巡って相続争いが起こるというのは珍しい話ではありません。もしもあなたが相続人や受遺者のためを思って,生前から遺産の整理をし,希望通りの分配ができるように遺言を残しておいたとします。しかし,その内容が中途半端であったり要式が守られていなかったりすれば,却って相続人や受遺者との間の紛争につながるおそれがあります。   そうな・・・

遺言によってできること,できないこと

1 はじめに     遺言に何を記載するのかを考えるときには,どのような文言で表現すべきなのかということの他に,「この記載によって実際にどのような効果が発生するのか」というところまで考慮する必要があります。   遺言は単独行為であるため,遺言者の一方的な意思によって内容を決めることができます。しかし,遺言の内容がどのようなものでも法的な効果が生じて・・・

弁護士を遺言執行者に指定しておくことのメリット

1 はじめに    遺言の内容に従って,誰が遺産に関する手続きをするのでしょうか。相続人全員で手続きをすることもありますが,相続というものは一生のうちに何度も経験することではないので,慣れない手続きを適切に行える人は少ないと思います。また,相続人の間でケンカになれば,相続に関する手続きが滞る可能性もあります。  そこで,遺言者は,遺言書において,遺・・・

遺言の種類

1 はじめに   遺言という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。遺言は,一般的には「ゆいごん」と読まれることが多いですが,法律用語としては「いごん」と読みます。遺言について何となくは知っていても,どのような種類の遺言があるかは分からないという人がほとんどではないでしょうか。今回は,遺言の種類,つまり遺言の方式について説明いたします。 2 遺言の方式  ・・・